英検4級・5級のリスニングには、上の級と違う点がひとつあります。答えの選択肢が、問題冊子に印刷されていない問題が多いことです。
読む力の試験なら、わからなければ本文に戻れます。ところがリスニングは戻れません。しかも選択肢まで音だけだと、手がかりが耳しか残りません。この記事では、英検4級・5級のリスニングを第1部から第3部まで分け、どの部で何が印刷され、何が印刷されないのかを整理します。そのうえで、1問10秒という条件で点にするための練習手順をまとめます。
英検4級・5級のリスニングは何問出る?
結論から言うと、4級は30問、5級は25問です。どちらも第1部から第3部までの3部構成で、放送はすべて二度くり返されます。試験時間は4級が約30分、5級が約20分です。
4級と5級の問題数の内訳
部ごとの問題数は、公式サイトの試験内容と放送文に書かれています。
- 4級:第1部 10問(No.1〜10)/第2部 10問(No.11〜20)/第3部 10問(No.21〜30)
- 5級:第1部 10問(No.1〜10)/第2部 5問(No.11〜15)/第3部 10問(No.16〜25)
5級は第2部だけが5問で、ほかは10問ずつです。4級はすべて10問ずつに揃っています。
リスニングの満点はリーディングと同じ
英検では技能ごとに満点が決まっています。4級は1技能あたり500点、5級は425点です。4級・5級はリーディングとリスニングの2技能で判定されるので、合計は4級が1000点、5級が850点になります。
つまりリスニングは配点のちょうど半分です。4級はリーディング35問に対してリスニング30問と問題数が少ないのに、満点は同じ500点です。リスニングを後回しにしてよい級ではありません。合格ラインの考え方は英検4級のレベルと合格点と英検5級のレベルと合格点にまとめています。
もう半分のリーディングは、4級だけに長文の大問があります。5級との違いと大問別の解き方は英検4級・5級のリーディング対策で扱っています。
選択肢が問題冊子に印刷されるのは第2部だけ
ここが4級・5級のリスニングで最も大事な点です。答えの選択肢が問題冊子に印刷されているのは、どちらの級も第2部だけです。第1部と第3部は「選択肢読み上げ」で、放送される3つを聞き比べて選びます。
数えると、5級は25問のうち20問、4級は30問のうち20問で、答えの文字が手元にありません。5級のほうが印刷される問題が5問しかなく、割合では厳しくなります。級が下がるほど楽になるとは限らない、ということです。
第2部は4つの選択肢を目で読める
第2部は4肢選択で、4つの選択肢が問題冊子に印刷されています。放送が始まる前に選択肢を読んでおけば、何を聞き取ればよいかが先にわかります。第2部は「読む準備ができる唯一の部」です。ここを落とすのは大きな損になります。
一方、第1部と第3部は3肢選択です。4つより選択肢は少ないのですが、音だけで比べることになります。メモを取る時間もありません。
1問の解答時間は10秒しかない
放送文には、各部の冒頭で「解答時間はそれぞれ10秒です」と案内されます。迷ってもう一度考え直す時間は用意されていません。10秒のうちにマークを塗って、次の問題の放送に備えることになります。
この条件は、家での練習のしかたを変えます。止めて考えてから答えを選ぶ練習をしていると、本番の10秒では間に合いません。最初から止めずに通して解くのが、本番に近い練習です。
わからない問題で粘るのも危険です。粘っている間に次の放送が始まり、2問続けて落とすことになります。どれかをマークして切り上げる、という練習を先にしておいてください。
二度目に何を聞くかを決めておく
放送が二度あるのは、4級・5級の大きな助けです。ただし二度目をただもう一度聞くだけだと、同じところでまたわからなくなります。
そこで、一度目で答えが決まらなかったときは二度目に聞き取る1点を先に決めます。時刻なのか、場所なのか、誰の発言なのか。1点に絞れば、二度目で拾える確率は上がります。
この切り替えは、練習で意識しないと身につきません。答え合わせのときに「二度目は何を聞くつもりだったか」を言わせるだけでも変わります。
第1部|イラストを見ながら応答を選ぶ
第1部は、どちらの級も10問です。イラストを参考にしながら放送を聞き、その最後の文に対する応答として最も適切なものを、3つの中から選びます。イラストは問題冊子に印刷されていますので、ここだけは目の手がかりがあります。
そこで有効なのが、放送が始まる前にイラストを見ておくことです。誰が誰に話しているのか、場所は店か教室か家か。これが先にわかっていると、聞こえてくる英語の見当がつきます。
第1部で問われるのは、単語の意味よりもそのやりとりで実際に使う言い方です。あいさつ、誘い、依頼、断りといった場面の表現をまとめて覚えると取りやすくなります。覚え方は英検4級・5級の単語で解説しています。
第2部|対話を聞いて質問に答える
第2部は4級が10問、5級が5問です。対話を聞いて、そのあとの質問に対して最も適切な答えを4つから選びます。対話と質問は、それぞれ二度くり返されます。
聞かれるのはたいてい、いつ・どこで・誰が・何をするかです。選択肢を先に読んで、答えの形をつかんでおくのがいちばん効きます。選択肢が時刻ばかりなら時間を、場所ばかりなら場所を待ち構えて聞けます。
一度目の放送で答えを決められなかったときは、二度目に聞き取る1点を絞ってください。全部を聞き直そうとすると、また同じところでわからなくなります。
5級の第3部|絵に合う英文を選ぶ
5級の第3部は、4級にはない形式です。絵の内容を最もよく表しているものを、放送される3つの英文の中から選びます。10問あり、25問中の4割を占めます。
ここで比べるのは、絵と英文です。日本語に訳す必要はありません。絵の動作や状況と、聞こえた英文が合っているかどうかだけを見ます。5級のリスニングで最も点を取りやすいのはこの第3部です。
練習では、絵を先に見て、何が描かれているかを英語で言ってみてください。「男の子が走っている」「女の人が本を読んでいる」といった動作を自分で英語にできれば、放送のどれが合うかはすぐ決まります。
4級の第3部|英文を聞いて質問に答える
4級の第3部は、絵ではなく英文です。物語文や説明文の短いパッセージを聞き、その内容に関する質問に答えます。10問あります。
5級から4級に上がるとき、いちばん変わるのがここです。絵を選ぶ問題が、まとまった英文を聞く問題に入れ替わります。単語を増やすだけでは届きません。やさしい英文を音で聞く量を増やすほうが効きます。
学年や級に合わせて何から聞かせるかを決めるのが難しければ、級に特化したマンツーマン指導で練習の順番ごと組んでもらうのも近道です。
例題が放送されるのは第1部だけ
放送文を読むと、例題が放送されるのは第1部だけだとわかります。第2部と第3部の冒頭には「この問題には例題はありません」と案内されます。
これは本番での意味が大きい点です。第2部と第3部は、始まった瞬間に1問目が来ます。形式を本番で確かめる余裕はないので、どの部で何を聞かれるかは家で頭に入れておく必要があります。
逆に言えば、形式を覚えておくだけで取りこぼしが減ります。覚えることは3つだけです。第1部はイラストと応答、第2部は選択肢を読んでから対話、第3部は級によって絵か英文か。
1日15分でできる練習手順
最後に、家での進め方をまとめます。使う教材は公式の過去問で足ります。問題冊子と放送文は公式サイトで無料で手に入ります。入手方法は英検4級・5級の過去問で解説しています。
- 第1部の10問を、止めずに通して解く
- 答え合わせをして、間違えた問題だけ放送文を目で読む
- 読んでわかれば音の問題、読んでもわからなければ語彙の問題と分けて記録する
- 翌日は第2部、その次の日は第3部と、1部ずつ回す
- 1週間たったら、3部まとめて通しで解く
手順1の「止めずに通して解く」が、10秒という条件への備えになります。手順3で分けておくと、次に何をすればよいかが決まります。音の問題なら同じ放送を何度も聞き、語彙の問題なら単語に戻ります。
これを2週間続けたら、正答数で確かめてください。第2部で半分以上取れているかどうかが最初の目印です。選択肢を読める部で取れていないなら、聞き取りより先に読む手順が抜けています。
4級に合格したら、次は3級です。3級になると一次試験にライティングが加わり、二次試験の面接も始まります。リスニングの大問別の解き方は英検3級リスニング対策で確認できます。級が上がるたびに練習のしかたを組み直すのが難しければ、英検専門のオンライン指導で進め方ごと見直すのが早道です。
