英検準1級の参考書を探していると、学研の『英検準1級をひとつひとつわかりやすく。』が候補に挙がることが多いでしょう。3級や2級でこのシリーズを使い、準1級でも同じシリーズを選ぼうと考えている方もいるかもしれません。
結論から言うと、本書は準1級の全体像をやさしくつかむための入門書です。解説はていねいですが、演習量と語彙の量は多くないため、単語帳や過去問集との併用が前提になります。この記事では、改訂版の内容、メリットとデメリット、向いている人、一緒に使いたい教材を順に解説します。
『英検準1級をひとつひとつわかりやすく。』はどんな本か
本書は、学研の「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズの英検準1級版です。出版社は、英検準1級を「超基礎レベルからやさしく解説」する本だと紹介しています。
改訂版の基本情報
現在販売されているのは、2024年8月に発売された改訂版です。2024年度からの英検リニューアルに対応し、紙面がオールカラーになりました。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 英検準1級をひとつひとつわかりやすく。改訂版 |
| 出版社 | Gakken(学研) |
| 発売 | 2024年8月 |
| 試験形式 | 2024年度からのリニューアルに対応(英文要約問題を収録) |
| 巻末 | 本番形式の模擬試験1回分、二次試験の練習問題2題 |
| 音声 | 音声再生アプリ、二次元コード、MP3ダウンロード(CDは付属しない) |
「ひとつひとつわかりやすく。」シリーズは、累計1,000万部を突破したと学研は紹介しています。英検版は5級から1級まであり、準2級プラスの巻も出ています。
4つの章と巻末の模擬試験
本文は「重要語彙」「読解問題」「英作文」「リスニング」の4章で構成されています。英作文の章では、2024年度に加わった英文要約問題の形式や、要点のまとめ方も扱っています。
解説でつかんだポイントは、すぐに予想問題で確認できる作りです。巻末には本番形式の模擬試験が1回分あり、新しい形式と時間配分を確かめられます。二次試験の流れの解説と練習問題も2題収録されています。
英検準1級の難しさと現在の試験形式
本書を選ぶ前に、準1級がどのくらいのレベルの試験かを確認しておきましょう。準1級は、英検協会が「大学中級程度」を目安としている級です。
大学中級程度・CEFR B2が目安
準1級の合格者は、国際的な語学力の指標であるCEFR(セファール)でB2相当が目安とされています。2級(高校卒業程度・B1相当)から大きくレベルが上がります。
必要な語彙数に公式の数字はありませんが、一般的には7,500〜9,000語程度といわれることがあります。英検協会は現在、級別の合格率を公表していません。レベルや難易度をもっと詳しく知りたい方は、英検準1級のレベルと難易度の解説も参考にしてください。
一次試験の構成(2026年度)
2024年度のリニューアルで、準1級のライティングは2題になりました。現在の一次試験の構成は次のとおりです(2026年度第1回時点)。
| 技能 | 時間 | 内容 |
|---|---|---|
| リーディング | 筆記90分(ライティングと合わせて) | 31問(短文の語句空所補充18問、長文の語句空所補充6問、長文の内容一致7問) |
| ライティング | 同上 | 英文要約(60〜70語)、意見論述(語数の目安120〜150語) |
| リスニング | 約30分 | 29問(会話12問、文12問、Real-Life形式5問) |
一次試験は、リーディング・リスニング・ライティングの合計の英検CSEスコアで合否が決まります。英検CSEスコアとは、技能ごとの成績を共通の尺度で表した点数です。合格基準スコアは一次試験が1792点(満点2250点)、二次試験が512点(満点750点)です。
要約問題の書き方は、英検準1級の要約問題の解き方で詳しく解説しています。
本書のメリット
本書の強みは、準1級の出題形式とポイントを、基礎からやさしく整理してくれる点です。特に、準1級の勉強を始めたばかりの人にとって使いやすい作りになっています。
オールカラーで基礎からていねいに解説
改訂版はオールカラーの紙面で、合格のポイントを一つずつ説明しています。準1級の参考書には上級者向けのものも多いので、最初の1冊として取り組みやすいのは大きな利点です。
英文要約の解説と練習がある
2024年度に加わった英文要約問題の解説と練習問題が充実していると、出版社は紹介しています。要約は新しい問題なので、形式や注意点を最初に整理できるのは心強いポイントです。
二次試験まで1冊で見通せる
語彙・読解・英作文・リスニングに加えて、二次試験の流れと練習問題も入っています。一次試験から二次試験まで、何を準備すればよいかを1冊で見通せます。
音声はスマートフォンのアプリや紙面の二次元コードで聞けるので、CDプレーヤーは必要ありません。
注意したいデメリット
一方で、本書だけで準1級の合格を目指すのは難しいと考えておきましょう。主な理由は、演習量と語彙の量です。
演習量は多くない
本番形式の模擬試験は1回分です。準1級の一次試験では、長文を速く正確に読む力が求められます。その力をつけるには、本番レベルの問題を何度も解く練習が欠かせません。
本書で形式とポイントをつかんだら、過去問集で演習量を確保しましょう。旺文社の過去問集の選び方は、『英検準1級 過去6回全問題集』のレビューで紹介しています。
語彙は単語帳で補う
本書にも重要語彙の章がありますが、全技能を扱う1冊なので、語彙の量には限りがあります。準1級向けの単語帳を1冊用意し、本書と並行して進めるのがおすすめです。
同じシリーズからは、2026年2月に『英検準1級英単語をひとつひとつわかりやすく。』も発売されています。長文の中で単語を覚えたい方は、文単(文で覚える単熟語)の使い方も参考にしてください。
本書が向いている人・向いていない人
本書は、準1級の学習をこれから始める人に向いています。すでに準1級の問題にある程度慣れている人には、物足りなく感じるかもしれません。
向いている人
- 2級に合格し、準1級に初めて挑戦する人。
- どの技能から手をつければよいかわからない人。
- 英語に苦手意識があり、やさしい解説から始めたい人。
- 久しぶりに英語の勉強を再開する大人。
別の教材が向いている人
- 2級に余裕をもって合格し、英語力に自信がある人。
- 準1級の過去問を解いても、それほど難しく感じない人。
- 最初から本番レベルの問題をたくさん解きたい人。
こうした方は、過去問集や単語帳を中心に学習計画を立てたほうが効率的です。ほかの参考書と比べたい方は、英検準1級のおすすめ参考書ランキングもご覧ください。
一緒に使いたい教材と進め方
本書を中心にするなら、「本書で全体像をつかむ→単語帳で語彙を増やす→過去問で演習する」という順番がおすすめです。
- 本書を1周して、各問題の形式と解き方のポイントを理解する。
- 単語帳を毎日少しずつ進め、語彙の土台を作る。
- 過去問集を本番と同じ時間で解き、弱点を見つけて復習する。
ライティングや面接は、一人では採点しにくい技能です。書いた英文や話した内容を第三者に見てもらいたい場合は、英検専門のマンツーマン指導を取り入れるのも一つの方法です。
2026年度の従来型の一次試験(本会場)は、第2回が10月4日(日)、第3回が2027年1月24日(日)です。日程は変わることがあるため、最新情報は英検公式サイトでご確認ください。
まとめ
『英検準1級をひとつひとつわかりやすく。』改訂版は、準1級の学習を始めるときの入門書として使いやすい1冊です。2024年度のリニューアルに対応し、英文要約を含むすべての問題形式をオールカラーでやさしく解説しています。
ただし、模擬試験は1回分で、語彙の量も十分ではありません。本書で全体像をつかんだら、単語帳と過去問集で実戦力を積み上げていきましょう。
学習計画の立て方や、ライティング・面接の対策に不安がある方は、英検に特化したマンツーマン指導も検討してみてください。Jumpstart Englishは、小学生から高校生を対象に完全オンラインで英検全級の対策を行っています。
