大学受験でおなじみの「システム英単語」(通称シス単)を使いながら、英検準1級の対策も進められないかと考える人は多いはずです。使い慣れた単語帳があるなら、できるだけ活かしたいところです。
結論から言うと、シス単は準1級の長文を読むための土台にはなりますが、語彙問題はシス単だけでは足りません。準1級向けの単語帳を1冊足して、シス単にない語を補うのが現実的です。
この記事では、シス単がどこまで準1級に対応できるのかを問題の種類ごとに整理し、足りない語彙の補い方と学習の進め方を紹介します。
シス単で英検準1級は何割カバーできるか
カバーできる割合は、問題の種類によって大きく変わります。長文を読むのに必要な語はかなりの部分をシス単で押さえられますが、語彙問題の選択肢にはシス単に載っていない語が目立ちます。
インターネット上には、準1級の過去問に出た語がシス単に載っているかを数えた個人の調査もあります。そこでは、長文ではおよそ9割、語彙問題の選択肢では3割台だったという結果が紹介されています。
ただし、調べた回や数え方によって数字は変わります。公式のデータではないため、あくまで目安として受け止めてください。
| 問題の種類 | シス単での対応 | 補い方 |
|---|---|---|
| 長文読解(大問2・3) | 読むための基礎語彙はかなり押さえられる | 過去問の長文で、知らない語だけを拾って覚える |
| 語彙問題(大問1) | 選択肢の多くはシス単の範囲を超える | 準1級向けの単語帳を追加する |
| リスニング | 基本語が多く、土台として役立つ | 単語帳の音声で発音と一緒に覚える |
| ライティング | 意見を書くときの基本語として役立つ | 覚えた語を実際に使って英文を書く |
シス単(システム英単語)とはどんな単語帳か
シス単は、駿台文庫が発行する大学受験向けの英単語帳です。現在の版は2019年11月発行の5訂版で、大学入試問題延べ10,000回分(25年分)のデータを分析して作られています。
最大の特徴は「ミニマル・フレーズ」です。単語の最も重要な意味や使い方を反映した短いフレーズで覚えるため、単語を文脈の中で記憶しやすいのが利点です。
本編はFundamental・Essential・Advanced・Finalの4つのステージと、多義語の章で構成されています。駿台文庫の案内では、各ステージの位置づけが次のように説明されています。
| ステージ | 位置づけ(駿台文庫の案内) |
|---|---|
| Fundamental | 高校英語の最初歩 |
| Essential | 標準的な入試問題に対応 |
| Advanced | 難関大の入試問題に対応 |
| Final | 最難関大の入試に対応 |
このように、シス単は大学入試を基準に作られた単語帳で、英検の級に合わせた構成ではありません。駿台文庫の案内にも、英検の級との対応は示されていません。
なお、シリーズには、より基礎から始めたい人向けの「システム英単語Basic」や「中学版」もあります。準1級を目指す段階なら、通常のシス単を土台にするのが一般的です。
英検準1級で求められる語彙のレベル
英検準1級は、英検協会の目安で「大学中級程度」のレベルです。合格者のレベルは、国際的な語学力の指標であるCEFRで「B2」が目安とされています。
必要な語彙数について、協会は公式な数字を出していません。一般的な目安として、準1級は7,500〜9,000語程度と言われることがありますが、あくまで参考値です。
語彙が特に重要なのは、リーディングの大問1(短文の語句空所補充)です。2026年度の準1級では、リーディング31問のうち18問がこの形式です。
語彙問題の出来はリーディングのスコアに直結します。準1級の単語対策の全体像は、英検準1級の単語対策と必要語彙数の目安で詳しくまとめています。
シス単でカバーしやすい分野と足りない分野
シス単が強いのは「読むための語彙」で、弱いのは「語彙問題で問われる難しい語」です。それぞれの特徴を見ておくと、何を追加すればよいかがはっきりします。
長文読解ではシス単が土台になる
準1級の長文は、社会・科学・環境などアカデミックな話題が中心です。こうした文章を読むのに必要な語は、難関大の入試長文と重なる部分が多いと考えられます。
そのため、シス単をAdvancedやFinalのステージまで仕上げておくと、長文で知らない語に出会う回数を減らせます。残った未知語は、過去問を解きながら拾っていけば十分に補えます。
語彙問題(大問1)はシス単の範囲を超える語が多い
一方、大問1の語彙問題では、大学入試ではあまり見かけない語が選択肢に並ぶことがよくあります。正解の語だけでなく、ほかの選択肢の意味もわからないと消去法が使えません。
シス単を完璧にしても、この大問で安定して得点するのは難しいと考えておきましょう。ここを補うのが、次に紹介する準1級向けの単語帳です。解き方のコツは英検準1級の空所補充問題の解き方で紹介しています。
シス単に足すなら?準1級向け単語帳の選び方
シス単の次に使う単語帳は、英検の過去問を分析して作られた準1級専用のものを選ぶのが近道です。代表的な2冊を比べると、次のようになります。
| 書名 | 出版社・発行 | 特徴 |
|---|---|---|
| 英検準1級 でる順パス単 6訂版 | 旺文社・2026年7月 | 過去20年分の英検過去問を分析し、よく出る語を「でる順」に掲載 |
| 英検準1級 単熟語フレーズシステム | アスク・2023年8月 | シス単の著者の一人である霜康司氏の著。ミニマル・フレーズで覚える方式 |
語彙問題に直結させたいなら「でる順パス単」
でる順パス単は、英検の過去問でよく出た語から順に並んでいる単語帳です。2026年7月に6訂版が発売されました。音声は公式アプリ「英語の友」などで聞けます。
シス単と同じ覚え方を続けたいなら「フレーズシステム」
フレーズシステムは、シス単の著者の一人が手がけた英検準1級向けの単熟語集です。発行元は駿台文庫ではなくアスクですが、シス単と同じくミニマル・フレーズで覚える方式を取っています。
出版社の案内によると、英検の過去問を分析して頻度順に掲載しており、無料音声も付いています。シス単のフレーズ学習に慣れている人は、同じ感覚で進めやすい一冊です。
ほかの単語帳も含めて比べたい場合は、英検準1級の単語帳ランキングや、フレーズシステムなどを比べたマイナー単語帳まとめが参考になります。
単語帳は選んで終わりではなく、続ける仕組みづくりが大切です。覚えた語を過去問で確認する流れを一人で回すのが難しいときは、英検に特化したマンツーマン指導で進み具合を見てもらうのも一つの方法です。
シス単から英検準1級へ進む学習の進め方
基本の流れは「シス単で土台を固める→準1級向けの単語帳で上乗せする→過去問で確認する」の3段階です。試験まで6か月ある場合の一例を紹介します。
| 時期の目安 | やること |
|---|---|
| 1〜2か月目 | シス単をフレーズごと仕上げる。すでに覚えている人は復習だけにして短縮する |
| 3〜4か月目 | 準1級向けの単語帳で、シス単にない語を中心に上乗せする |
| 5〜6か月目 | 過去問を本番形式で解き、覚えきれていない語を洗い出して直前まで復習する |
1〜2か月目は、1日50〜100語を目安に進め、覚えた語も定期的に見直します。シス単のフレーズは音声と一緒に口に出すと、リスニングの土台づくりにもつながります。
3か月目以降は、単語帳を読むだけで終わらせないことが大切です。過去問の語彙問題を解き、間違えた選択肢の語も含めて覚えると、本番で消去法を使いやすくなります。
シス単ではなくターゲット1900を使っている人は、ターゲット1900で英検準1級に対応できるかの記事も参考にしてください。
まとめ:シス単は英検準1級対策の「土台」として活かす
シス単は、大学入試問題の分析をもとに作られた優れた単語帳です。準1級の長文を読むための基礎語彙はかなりの部分を押さえられますが、語彙問題(大問1)はシス単だけでは足りません。
シス単を土台にして、でる順パス単やフレーズシステムなど準1級向けの単語帳で上乗せするのが効率のよい進め方です。シス単のフレーズ学習に慣れているなら、フレーズシステムは移りやすい選択肢です。
準1級は、語彙に加えて要約・意見論述・面接と対策する範囲が広い級です。小学生から高校生で準1級を目指すなら、英検専門のオンライン英語スクール Jumpstart Englishも選択肢の一つです。完全マンツーマンの指導で、語彙から面接まで一人ひとりに合わせて対策できます。
