英検準1級を目指す方にとって、「どれくらいの人が合格しているのか」は気になるポイントです。
先に結論をお伝えすると、英検準1級の合格率は現在、英検協会から公表されていません。学習サイトなどでよく見る「16%前後」という数字は、過去の年度のものとされる参考値です。
一方で、合否を決めるCSEスコアの合格ラインは公表されており、一次試験1792点・二次試験512点で固定されています。この記事では、合格率の数字の正しい読み方と、一次・二次それぞれの難易度、合格に向けた対策をまとめました。
英検準1級の合格率は?現在は公式に公表されていない
英検協会の「受験の状況」ページに載っているのは志願者数だけで、級ごとの合格率や合格者数は載っていません(2026年9月時点)。そのため、「2026年度の英検準1級の合格率は〇%」と言える公式の数字はありません。
志願者数も注意が必要です。2025年度の志願者数は4,543,122人と公表されていますが、これは英検(従来型・S-CBTなど)に英検IBAと英検Jr.を合わせた合計です。英検準1級だけの受験者数ではありません。
合格率の公表がいつ止まったのかについて、多くのサイトは「2016年度以降は非公表」と説明しています。ただし、協会の一次資料ではその時期を確認できませんでした。確かなのは「現在は公表されていない」という点です。
過去の合格率の目安とほかの級との比較
ネット上でよく紹介されているのは、2015年度の数字とされる次のような合格率です。いずれも塾や学習サイトなどの二次資料による数字で、協会の一次資料では確認できていません。今の合格率ではなく、難しさの感覚をつかむための参考値として見てください。
| 級 | 参考値(2015年度とされる合格率) |
|---|---|
| 1級 | 12.0% |
| 準1級 | 16.0% |
| 2級 | 26.4% |
| 準2級 | 36.7% |
| 3級 | 52.9% |
この参考値では、準1級の合格率は2級より10ポイントほど低く、1級に近い水準です。あくまで参考値ですが、準1級が簡単な試験ではないことはうかがえます。
ただし、2024年度には問題形式のリニューアルがあり、2025年度には準2級プラスも新設されました。受験者層も年度によって変わるため、過去の数字をそのまま今に当てはめることはできません。
一次試験と二次試験の難易度の違い
一次試験と二次試験の合格率も、公式には公表されていません。そのうえで、一般には一次試験が最大の関門で、二次試験は一次より通りやすいといわれています。
一次試験が難しいとされる理由
一次試験では、リーディング・リスニング・ライティングの3技能が問われます。準1級の目安は「大学中級程度」で、社会性の高い話題の長文や会話を正確に理解する力が必要です。
語彙のレベルも大きく上がります。必要な語彙数は一般に7,500〜9,000語程度が目安とされ、4,000〜5,000語程度とされる2級から大きく増えます。ただし、これは協会の公式な数字ではありません。
さらにライティングは、2024年度から要約(60〜70語)と意見論述(120〜150語が目安)の2題になりました。読んだ内容をまとめる力と、自分の意見を論理的に書く力の両方が求められます。
二次試験は一次より合格しやすいといわれる理由
二次試験を受けるのは、一次試験に合格した人だけです。その時点で読む・聞く・書く力が一定の水準に達しているため、一次に比べると合格しやすいと考えられています。
とはいえ、準備なしで通るわけではありません。面接は約8分で、4コマのイラストを使ったナレーション(考える時間1分・話す時間2分)と、社会的な話題への意見を問う質問があります。形式に慣れておかないと、時間内に話をまとめるのは難しいでしょう。
一次に合格して二次で不合格になった場合は、一次試験免除を使えます。従来型で取得した免除は、翌年度の同じ回まで有効です。
英検準1級のCSEスコアの合格ラインは一次1792点・二次512点
合格率は非公表ですが、合否を決める基準ははっきり公表されています。英検の合否は正答数ではなく「英検CSEスコア」で判定されます。CSEスコアとは、英検の技能ごとの力を共通の尺度で表した点数です。
| 区分 | 技能 | 満点 | 合格基準スコア |
|---|---|---|---|
| 一次試験 | リーディング・リスニング・ライティング(各750点) | 2250 | 1792 |
| 二次試験 | スピーキング | 750 | 512 |
一次試験は3技能の合計スコアで判定されます。1792点は満点の約8割にあたりますが、これは正答率が8割必要という意味ではありません。
CSEスコアは統計的な方法(IRT)で回ごとに算出されるため、同じ正答数でも回によってスコアが変わります。正答数から自分でスコアを出すことはできません。
協会が示している目安は、2016年度第1回のデータだけです。このときは準1級で、各技能の正答率が7割程度の受験者の多くが合格していました。技能ごとのスコアの配分や、スコアの仕組みの詳細は英検準1級の合格点とCSEスコアの解説をご覧ください。
なお、合格基準スコアは回によって変わりません。「今回は合格ラインが高かった」ということは起こらない仕組みです。
難易度の高い級だからこそ、自分の弱い技能を早めに見つけることが大切です。英検に特化したマンツーマン指導で、スコアの伸びにくい技能を集中して練習するのもひとつの方法です。
英検準1級の難易度:2級との違い
英検準1級は、2級から一段階ではなく大きくレベルが上がる試験です。協会の目安では2級が「高校卒業程度」、準1級が「大学中級程度」とされています。
| 項目 | 2級 | 準1級 |
|---|---|---|
| 公式の目安 | 高校卒業程度 | 大学中級程度 |
| 合格者のCEFR(目安) | B1 | B2 |
| 筆記の時間 | 85分 | 90分 |
| 要約の語数 | 45〜55語 | 60〜70語 |
| 意見論述の語数 | 80〜100語(目安) | 120〜150語(目安) |
| 一次の合格基準スコア | 1520/1950 | 1792/2250 |
| 二次試験 | 音読・3コマイラスト・Q&A(約7分) | 4コマのナレーションとQ&A(約8分) |
CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)は、語学力を国際的に比べる6段階の基準です。準1級の合格はB2相当が目安で、自分の意見を筋道立てて説明できるレベルとされています。
2級との大きな違いは、語彙の難しさと、話題の抽象度です。準1級のレベル感や偏差値の目安は英検準1級とは?レベル・難易度の解説で詳しく紹介しています。
難易度の高い準1級に合格するための対策
合格率の数字に左右されるより、合格基準スコアから逆算して準備するほうが確実です。一次・二次のそれぞれで、次のポイントを押さえておきましょう。
一次試験対策:語彙と2つのライティング
リーディング31問のうち18問が短文の語句空所補充です。語彙力がそのまま得点に表れやすいため、準1級向けの単語帳を1冊決めて繰り返すのが基本です。覚え方のコツは英検準1級の単語対策を参考にしてください。
ライティングは、要約と意見論述の型を身につけることが大切です。要約は60〜70語で書くよう指定されており、要約になっていない解答は0点になることもあります。書き方は英検準1級 要約問題の解き方で詳しく解説しています。
リスニングは約30分で29問です。シャドーイングなどで英語を英語のまま理解する練習を続けると、会話や説明文の要点をつかみやすくなるとされています。
二次試験対策:ナレーションと意見の述べ方
二次試験では、まず4コマのナレーションの形式に慣れることが重要です。1分の準備時間でコマごとの要点を整理し、2分で話の流れを説明する練習を繰り返しましょう。
質問では、社会的な話題について意見を求められます。ふだんからニュースに触れて、自分の考えと理由を英語で言う習慣をつけておくと対応しやすくなります。
評価されるのは、応答の内容や発音、語彙、文法だけではありません。積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度も評価の対象です。面接の流れは英検準1級 二次試験の流れと対策で確認できます。
まとめ
英検準1級の合格率は、現在、英検協会から公表されていません。よく見る「16%前後」は2015年度のものとされる参考値で、今の合格率として扱うことはできません。
一方、合格ラインは一次1792点・二次512点のCSEスコアで固定されています。合格率の数字より、この基準から逆算して弱い技能を伸ばすことが合格への近道です。最新の試験情報は英検公式サイトで確認してください。
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