英検準1級の勉強を始めるとき、「まず何を1冊買えばいいのか」と迷う人は多いのではないでしょうか。その候補としてよく名前が挙がるのが、旺文社の『英検準1級総合対策教本』です。
結論から言うと、現在の最新版は2025年7月発売の3訂版で、2024年度からの新しい試験形式に対応しています。試験の全体像をつかむ最初の1冊としては使いやすい一方、合格に必要な演習量や語彙をこれだけでまかなうのは難しいため、単語帳や過去問との併用がおすすめです。
この記事では、総合対策教本の内容と構成、技能ごとの使い方、1冊で足りるかどうか、併用したい教材を順に解説します。
英検準1級総合対策教本とはどんな参考書か
総合対策教本は、受験の申し込みから二次試験まで、準1級合格に必要な情報を1冊にまとめた旺文社の総合対策書です。一次試験の筆記・リスニングと、二次試験の面接までを1冊で学べます。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 書名 | 英検準1級総合対策教本 3訂版 |
| 編者・出版社 | 旺文社 編・旺文社 |
| 発売日 | 2025年7月16日 |
| 判型・ページ数 | A5判・336ページ(2色刷) |
| 対応する試験形式 | 2024年度からの新試験(要約問題を含む) |
| 音声 | 旺文社の公式アプリ「英語の友」でも聞ける |
最新版は2024年度の新形式に対応した3訂版
3訂版は、2016年8月に刊行された『英検準1級 総合対策教本 改訂版』を改訂したものです。出版社は「2024年度検定からの新試験に対応」と案内しています。
一つ前の改訂版は、2024年度に加わったライティングの要約問題に対応していません。古本やお下がりを使う場合は、表紙や奥付で「3訂版」かどうかを必ず確認しましょう。
本の構成
本編の前に、受験の流れや試験形式、Q&A形式の受験の心得がまとめられています。そのあと、一次試験と二次試験の対策が次の5章で続きます。
- 第1章 語彙(筆記1)
- 第2章 リーディング(筆記2・3)
- 第3章 ライティング(筆記4・5)
- 第4章 リスニング
- 第5章 スピーキング(二次試験)
出版社によると、問題は実際の英検の過去問を分析して作られており、最新の傾向に沿った形式で練習できます。
総合対策教本で学ぶ準1級の試験形式
総合対策教本を使う前に、準1級がどんな試験なのかを確認しておきましょう。2026年度の準1級は、一次試験が筆記とリスニング、二次試験が面接という構成です。
| 試験 | 技能 | 内容(2026年度) |
|---|---|---|
| 一次(筆記90分) | リーディング | 31問(短文の語句空所補充18問・長文の語句空所補充6問・長文の内容一致選択7問) |
| 一次(筆記90分) | ライティング | 要約(60〜70語)と意見論述(120〜150語が目安)の2題 |
| 一次(約30分) | リスニング | 29問(会話12問・文12問・Real-Life形式5問) |
| 二次(約8分) | スピーキング | 4コマのイラストのナレーションと質問4問 |
合格基準は英検CSEスコアで、一次試験が1792点(満点2250点)、二次試験が512点(満点750点)です。試験の詳しい内容は英検準1級の試験内容で解説しています。
技能別の使い方
総合対策教本は、各章で出題の特徴と解き方を学んでから問題を解く流れになっています。読むだけで終わらせず、技能ごとに手を動かす学習を組み合わせることが大切です。
語彙(第1章)
語彙は準1級で最も対策に時間がかかる分野です。第1章は、どんな語が問われるのか、どう解けばよいのかという「傾向をつかむ」目的で使いましょう。
本書に載っている語だけでは、本番に必要な語彙をすべてカバーするのは難しいです。単語帳を並行して進め、語彙の量を増やしていきましょう。
リーディング(第2章)
長文は、問題を解いたあとに解説で段落ごとの要点を確認し、音読まで行うのが効果的です。声に出して読むことで、英文を前から順に理解する力がつきやすくなります。
ライティング(第3章)
ライティングは要約と意見論述の2題です。要約は60〜70語で文章の要点をまとめ、意見論述は提示されたPOINTSから2つを使って序論・本論・結論の形で書きます。
解答例の構成を分析したら、自分で書く、見直す、書き直すというサイクルをくり返しましょう。要約の手順は英検準1級 要約問題の解き方でも詳しく紹介しています。
独学では自分の英作文の弱点に気づきにくいものです。添削を受けたい場合は、英検に特化したマンツーマン指導を取り入れるのも一つの方法です。
リスニング(第4章)
リスニングは、問題を解いたあとにスクリプトを確認し、なぜその答えになるのかを理解することが大切です。聞き取れなかった部分は、スクリプトを見ながら音声に重ねて読むシャドーイングで練習しましょう。
スピーキング(第5章)
二次試験では、4コマのイラストを使ったナレーションと、社会的な話題についての質問に英語で答えます。本書で面接の流れと解答例を確認したら、実際に声に出して練習してください。面接の流れは英検準1級 二次試験の流れ・出題形式でも確認できます。
学習の進め方とスケジュールの目安
総合対策教本を軸にするなら、2級合格レベルの人で3〜4か月、基礎から見直す人で5〜6か月ほどの準備期間を見ておくと安心です。
たとえば2026年度第3回の一次試験(2027年1月24日)を目指す場合、今から始めれば約4か月あります。1日の学習時間は次のくらいを目安にするとよいでしょう。
- 平日:60〜90分(1つの章を集中して進める)
- 週末:2〜3時間(復習・問題演習・音読)
1周目は最初から順に進めて、全体像をつかむのが基本です。出版社の編集担当者は、全体をぱらぱらと眺めて苦手そうな章から取り組む使い方もすすめています。
一通り終えたら2周目に入り、間違えた問題や苦手な章を重点的に復習しましょう。1周しただけで終わりにしないことが、力を定着させるポイントです。
総合対策教本だけで合格できるか
総合対策教本だけで合格できるかは、今の英語力によって変わります。多くの人にとっては、試験の全体像をつかむ土台の1冊と考え、足りない部分を別の教材で補うのが現実的です。
1冊でまかないやすい人
- 英検2級に合格していて、語彙力や読解力にある程度の自信がある
- 英語学習の習慣があり、独学で計画的に進められる
- まず試験の全体像を知ってから、個別の対策に進みたい
追加の教材が必要になりやすい人
- 準1級レベルの語彙に大きな不安がある
- 英作文の書き方がまったくわからない
- リスニングが苦手で、たくさん演習したい
- 本番形式の問題を何回分も解いておきたい
総合対策教本と併用したい教材
総合対策教本を軸にする場合は、語彙・演習量・面接の3つを別の教材で補うと効果的です。いずれも旺文社から出ている最新版を紹介します。
| 補いたい部分 | 教材(旺文社) |
|---|---|
| 語彙 | 英検準1級 でる順パス単 6訂版(2026年7月発売) |
| 本番形式の演習 | 2026年度版 英検準1級 過去6回全問題集 |
| 二次試験(面接) | 14日でできる! 英検準1級 二次試験・面接 完全予想問題 3訂版 |
過去問は、本番と同じ時間で解いて時間配分を確かめるのに欠かせません。旺文社の準1級対策書の全体像は旺文社 英検準1級シリーズ完全ガイドで、他社の教材も含めた比較は英検準1級おすすめ参考書ランキングでまとめています。
総合対策教本の長所と注意点
総合対策教本の長所は、準1級の全体像を1冊で見渡せることです。一方で、全技能を1冊に収めているぶん各技能の問題数には限りがあるため、演習用の教材は別に用意しましょう。
長所
- 一次試験から二次試験まで全技能を1冊で確認でき、何から勉強すればよいか迷いにくい
- 受験の流れやQ&Aがまとまっていて、初めて準1級を受ける人のガイドになる
- 2024年度からの新形式に対応していて、要約問題の対策も含まれる
- 音声を公式アプリ「英語の友」で聞ける
注意点
- 全技能を1冊にまとめた本なので、問題演習の量は過去問や問題集で補う必要がある
- 語彙を本書だけで十分に増やすのは難しい
- 一つ前の改訂版は新形式に対応していないため、版の確認が必要
総合対策教本は準1級対策の土台になる1冊
旺文社の『英検準1級総合対策教本 3訂版』は、2024年度からの新形式に対応し、準1級の全技能を1冊で学べる総合対策書です。とくに次のような人に向いています。
- 英検2級に合格し、準1級に向けた学習の全体像を作りたい
- 各パートの出題の特徴と解き方を順序立てて理解したい
- 1冊を軸にして、必要に応じて単語帳や過去問を足していきたい
総合対策教本は「これだけで完結する本」ではなく、「合格への土台を作る本」と考えて使うと、その価値を引き出しやすくなります。
独学での計画づくりやライティング・面接の練習に不安がある方は、英検専門のオンライン英語スクール Jumpstart Englishもご検討ください。小学生から高校生を対象に、完全マンツーマンで英検全級の対策を行っています。
