英検4級・5級のリーディングでいちばん迷うのは、4級で初めて出てくる「長文」の10問です。
ところがこの10問、ふたを開けると半分は読み物ではありません。掲示とEメールが入っているからです。この記事では、英検4級・5級のリーディングを大問1から大問4まで分け、どこが「読む」問題で、どこが「探す」問題なのかを整理します。そのうえで、35分と25分をどう使うかをまとめます。
英検4級・5級のリーディングは何問出る?
結論から言うと、4級は35分で35問、5級は25分で25問です。大問の数は4級が4つ、5級が3つです。この1つの差が、そのまま長文の有無になっています。
4級の大問構成(35分・35問)
- 大問1 短文の語句空所補充:15問。
- 大問2 会話文の文空所補充:5問。
- 大問3 日本文付き短文の語句整序:5問。
- 大問4 長文の内容一致選択:10問。
5級の大問構成(25分・25問)
- 大問1 短文の語句空所補充:15問。
- 大問2 会話文の文空所補充:5問。
- 大問3 日本文付き短文の語句整序:5問。
並べてみると、大問1から大問3までは両級でまったく同じです。問題数も15問・5問・5問で変わりません。合格ラインの考え方は英検4級のレベルと合格点と英検5級のレベルと合格点にまとめています。
5級のリーディングに長文は1問も出ない
5級には大問4がありません。公式サイトの試験内容を見ると、5級の問題文の種類として書かれているのは「短文」と「会話文」の2つだけです。
これは5級を受けるうえで大きな意味を持ちます。まとまった量の英文を読み通す練習をしていなくても、合格を狙える級だということです。
そのかわり、5級で問われるのは短い英文を正確に読む力です。25問のうち15問が大問1なので、単語と文法がそのまま点になります。何語おぼえればよいかの目安は英検4級・5級の単語で解説しています。
4級で増える10問が、長文のすべて
4級のリーディングは35問です。5級の25問から10問増えますが、増えた10問はまるごと大問4です。大問1から大問3までは1問も増えていません。
つまり5級から4級への段差は、長文1つに集まっています。逆に言えば、大問1から大問3は5級で使った練習がそのまま通用します。
4級の長文は3種類ある
ここが4級のリーディングで最も大事な点です。大問4の問題文の種類は、公式サイトに「掲示・案内」「Eメール(手紙文)」「説明文」の3つが挙げられています。1つの長文を10問で読むのではありません。
2024年度第2回の実際の内訳
公式サイトで公開されている2024年度第2回の問題冊子では、大問4がA・B・Cの3つに分かれていました。
- A:掲示(Fashion Show)で2問。
- B:Eメール2通のやりとり(Golf/Of course.)で3問。
- C:英文(A Fun Trip)で5問。
読み物として読むのは、Cの5問だけです。残る5問は掲示とEメールで、物語でも説明文でもありません。長文10問という言葉から想像するものとは、だいぶ違います。
問題数の割りふりは回によって変わることがあります。ただし3種類が出るという枠組みは、公式の試験内容に書かれているとおりです。
掲示とEメールは「読む」より「探す」
掲示とEメールは、全部を読んでから答える問題ではありません。日付や場所や料金が書かれていて、質問はそのどれかを聞いてきます。答えのある場所を探す問題だと考えたほうが速く解けます。
手順は3つです。まず質問を読み、何を聞かれているかをつかみます。次に本文のどこにそれが書かれていそうかを見当づけます。最後にその行だけを正確に読みます。
掲示なら、題名と日付と場所が決まった位置にあります。Eメールなら、件名と差出人を先に見ます。2通のやりとりでは、どちらのメールに書かれていたかで答えが変わりますので、ここだけは混ぜずに読んでください。
一方、Cの英文は探す問題ではありません。話の流れを追わないと答えが決まらないので、ここは通して読みます。同じ大問4のなかに、読み方の違う問題が混ざっているということです。
この読み分けは、ひとりで過去問を解いているだけでは身につきにくいところです。どこを探してどこを読むかを横で指摘してもらうなら、級に特化したマンツーマン指導でやり方ごと直すのが近道です。
大問1と大問2は、どちらも会話が出る
見落とされやすいのが、大問1にも会話文が出ることです。公式の試験内容では、両級の大問1の問題文の種類が「短文」と「会話文」と書かれています。短い文だけが出るわけではありません。
大問2は5問すべてが会話文です。あわせると、会話のやりとりを読む問題が最大20問になります。5級では25問中の、4級でも35問中の大きな部分です。
会話文の空所では、文法よりも場面の受け答えが問われます。さそわれたときの返し方、たずねられたときの答え方といったまとまりで覚えるほうが取りやすくなります。同じ形は英検4級・5級のリスニング対策の第1部にも出てきます。
4級で増える題材は「アナウンス」と「海外の文化」
公式サイトには、級ごとに「主な場面・題材」が載っています。4級と5級を並べると、差はごくわずかです。
- 5級の場面・状況:家庭、学校、地域(各種店舗・公共施設を含む)、電話など。
- 4級の場面・状況:ここに「アナウンス」が加わります。
- 5級の話題:家族、友達、学校、趣味、旅行、買い物、スポーツ、映画、音楽、食事、天気、道案内、自己紹介、休日の予定、近況報告など。
- 4級の話題:ここに「海外の文化」が加わります。
つまり4級で増える題材は、アナウンスと海外の文化の2つだけです。題材が大きく広がるわけではありません。4級がこわいのは話題の数ではなく、長文という形式のほうだとわかります。
この2つは大問4とよく結びつきます。アナウンスは掲示・案内に、海外の文化は説明文になりやすい題材です。
大問を解く順番と時間の使い方
4級のリーディングで時間が足りなくなるのは、たいてい大問4の途中です。先に大問4に何分残すかを決めてから解き始めるのが安全です。
目安を出してみます。大問1から大問3の25問を20分で抜ければ、大問4の10問に15分残ります。大問4は3つの文章を読むので、15分あればあわてずに進められます。
解く順番は、番号どおりで構いません。大問1から大問3は5級と同じ形式なので、ここで迷う時間は短くできるはずです。迷った問題は印をつけて飛ばし、大問4を終えてから戻ります。
5級は25分で25問なので、配分で悩む余地はあまりありません。大問3の語句整序に時間を取られすぎないことだけ気をつけてください。
家でできる練習手順
使う教材は公式の過去問で足ります。入手方法は英検4級・5級の過去問で解説しています。
- 大問1の15問だけを、時間を計って解きます。
- 間違えた問題を、単語を知らなかったのか文法で迷ったのかに分けて記録します。
- 翌日は大問2と大問3、その次の日に大問4を解きます。
- 4級の大問4は、A・B・Cのどれで落としたかを必ず分けて数えます。
- 1週間たったら、35分または25分の通しで解きます。
手順4が、この級でいちばん効く記録です。掲示やEメールで落ちているなら読む力ではなく探し方の問題で、直すのは速く済みます。Cの英文で落ちているなら、やさしい英文を読む量を増やす時期だということです。
4級に受かったあと、リーディングが大きく変わるのは準2級です。長文が試験の中心になり、問題数も増えます。先を見ておきたい場合は英検準2級リーディング対策で、どこまで伸ばすことになるかを確かめられます。
まとめ:4級と5級の差は長文10問だけ
- 4級は35分35問、5級は25分25問です。
- 大問1から大問3までは両級で同じ形式・同じ問題数です。
- 5級に長文の大問はなく、問題文の種類は短文と会話文だけです。
- 4級で増える10問はすべて大問4で、掲示・案内とEメールと説明文の3種類が出ます。
- 掲示とEメールは答えを探す問題、説明文は通して読む問題です。
- 4級で増える題材はアナウンスと海外の文化の2つだけです。
4級の長文は、量ではなく種類で身構えてしまう大問です。3つに分かれていると知っているだけで、本番の見え方は変わります。
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試験内容は変更されることがあります。受験前には英検公式サイトで最新の情報をご確認ください。
