英検準1級の二次試験(面接)で最も配点が大きいのが、4コマのイラストを英語で説明する「ナレーション」です。
この記事では、ナレーションの流れと採点の考え方、1分間の準備の使い方、2分間で話し切るためのテンプレートを順に解説します。
結論から言うと、「言い出し部分から始める」「1コマ2〜3文で話す」「過去形で統一する」の3点を守るだけで、ナレーションはかなり安定します。
英検準1級の4コマナレーションとは
4コマナレーションは、問題カードに描かれた4コマのイラストを、2分間で1つの物語として英語で説明する課題です。
準1級の二次試験は、面接委員1人と行う約8分の個人面接です。2026年度時点の流れは次のとおりです。
| 順番 | 内容 | ポイント |
|---|---|---|
| 1. 自由会話 | 入室後、氏名の確認と簡単な日常会話 | 短いやり取りで緊張をほぐす |
| 2. 準備 | 問題カードを受け取り、指示文とイラストを黙読 | 1分間 |
| 3. ナレーション | 4コマの内容を英語で説明 | 2分間 |
| 4. No.1 | イラストに関連する質問 | カードを見ながら答える |
| 5. No.2〜No.4 | カードを裏返し、トピックに関連する質問と社会性のある質問に答える | No.4の前に話題導入文が読まれる |
| 6. 退室 | 問題カードを返して退室 | 最後まで落ち着いて |
ナレーションは面接の前半にあります。ここで型どおりに話せると、後半の質疑応答にも落ち着いて臨めます。
なお、英検S-CBT(コンピューターで受ける英検)でもスピーキングの形式は同じです。面接委員の代わりに、ヘッドセットで解答を録音します。
二次試験全体の流れと対策の順番は、英検準1級 二次試験の流れと対策ロードマップで詳しくまとめています。
ナレーションの配点と採点基準
ナレーションは二次試験の中で最も配点が大きく、全体の約4割を占めるとされています。
二次試験の成績表では、分野別の得点が次のような内訳で示されるとされています。
| 項目 | 配点 |
|---|---|
| ナレーション | 15点 |
| No.1〜No.4(質疑応答) | 各5点(計20点) |
| アティチュード(態度) | 3点 |
| 合計 | 38点 |
ただし、合否は素点ではなく英検CSEスコアで判定されます。CSEスコアとは、英検の成績を技能ごとに共通の尺度で表した点数のことです。
準1級の二次試験は750点満点で、合格基準スコアは512点です。この基準は回によって変わりません。
一方で、CSEスコアは回ごとに統計的に算出されるため、「素点で何点取れば合格」とは言い切れません。ナレーションで安定して得点し、質疑応答で大きく崩れないことが現実的な目標です。
英検協会は、評価の観点を「ナレーション、応答の内容、発音、語彙、文法、語法、情報量、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度など」と示しています。
質問が聞き取れなかったときの自然な聞き返しは減点されません。ただし、不自然な聞き返しや何度も聞き返すことは減点の対象になります。
CSEスコアと素点の関係は、英検準1級の合格点とCSEスコアの解説も参考にしてください。
問題カードの見方とよくあるストーリー展開
カードの指示文を正しく読み、4コマの「型」を知っておくと、初めて見るイラストでも話を組み立てやすくなります。
指示文と「言い出し部分」
問題カードの上部には、次のような英語の指示文が印刷されています。
- You have one minute to prepare.
- This is a story about 〜.
- You have two minutes to narrate the story.
- Your story should begin with the following sentence: One day, 〜.
「This is a story about 〜」の1文は、物語の主人公とテーマを示しています。まずここで「誰の、どんな話か」をつかみましょう。
「One day, 〜」で始まる文が、ナレーションの言い出し部分です。英検協会は、必ずこの言い出し部分を使ってナレーションを始めるよう指示しています。
なお、2024年度から質問No.4の前に読まれるようになった「話題導入文」は、この言い出し部分とは別のものです。
コマの間にある時間表現
2コマ目以降には、「The next day」「A month later」のような時間の経過を表す語句が書かれていることがよくあります。
この語句を各コマの最初の文に入れると、時間の流れがはっきりした聞きやすいナレーションになります。
4コマによくある展開
旺文社の学習サイト「英語の友」では、準1級の4コマは次の流れになることが多いと紹介されています。
- 1コマ目: 現代社会によくある問題が起こる
- 2コマ目: 中心人物が問題を解決しようと行動する
- 3コマ目: 問題が解決したように見える
- 4コマ目: その解決策が原因で、新しい問題が起きる
テーマは、健康、環境、地域の活動、仕事や働き方など、社会性のある話題が多いといわれます。
4コマ目で予想外の問題が起きる型を知っておけば、準備時間に最後のコマの意味を素早く読み取れます。
1分間の準備時間の使い方
準備の1分間は、英文を完成させる時間ではなく、物語の骨組みを決める時間と考えましょう。次の順番で進めると効率的です。
- 最初の10秒ほどで「This is a story about」の文と言い出し部分を読み、主人公とテーマをつかむ
- 次の30秒ほどで4コマ全体を見て、各コマの「誰が・何をしたか」を決める
- 残りの時間で4コマ目の問題点と登場人物の気持ちを確かめ、使う単語を準備する
一言一句の英文を作ろうとすると、1分はすぐに終わってしまいます。キーワードだけを決めて、話しながら文にしていく方が落ち着いて話せます。
イラストの中にある看板やポスター、画面の文字も見落とさないようにしましょう。物語の展開を読み取るヒントになっていることが多いからです。
2分間で話し切るためのテンプレート
2分間を4コマで割ると、1コマあたり約30秒です。言いよどむ時間も考えて、1コマあたり2〜3文・25秒前後を目安にすると話し切りやすくなります。
2分を過ぎると途中でも止められるとされているため、最後のコマまでたどり着くことを優先しましょう。
1コマ2〜3文の型
各コマは「時間表現+出来事(誰が何をしたか)+気持ちや結果」の順に話すと、自然な物語になります。
| コマ | 1文目 | 2〜3文目 |
|---|---|---|
| 1コマ目 | 言い出し部分(One day, 〜.)をそのまま言う | 何が問題だったかを説明する |
| 2コマ目 | 時間表現+主人公の行動 | 行動の理由や周りの反応 |
| 3コマ目 | 時間表現+行動の結果 | 主人公の気持ち(満足・安心など) |
| 4コマ目 | 時間表現+新しい問題 | 主人公の気持ちや考えていること |
場面別に使いやすい表現
- 行動: decided to 〜 / suggested that 〜 / put up a poster about 〜
- 結果: As a result, 〜 / Thanks to 〜, 〜 / 〜 turned out to be a success.
- 気持ち: was pleased that 〜 / was surprised to see 〜 / was worried that 〜
- 4コマ目の転換: However, 〜 / 〜 was disappointed to find that 〜
吹き出しや看板の英語の処理
吹き出しのセリフは、A said to B, “〜.” のように直接話法でそのまま使っても構いません。
慣れてきたら、A complained that 〜 や A suggested that 〜 のような間接話法に言い換えてみましょう。登場人物の気持ちも一緒に伝えられます。
看板や掲示の文字は、A sign said that 〜 や A notice said that 〜 のように説明すると自然です。
ナレーションは一人で練習すると、時間配分や時制の崩れに気づきにくいものです。英検対策に特化したマンツーマンのオンライン指導で、講師に聞いてもらいながら型を固めるのも一つの方法です。
高得点につながる3つのポイント
骨組みができたら、「時制」「気持ちの描写」「態度」の3点を意識すると、ナレーションの完成度が上がります。
過去形で統一する
言い出し部分は過去形で書かれているため、続く文も過去形にそろえるのが基本です。
場面の中で続いている動作は、was reading のように過去進行形を使うと様子が伝わりやすくなります。途中で現在形が混ざるのはよくあるミスなので、練習の段階から過去形で話す習慣をつけましょう。
登場人物の気持ちを描写する
動作の説明だけが続くと、単調なナレーションになりがちです。
表情やしぐさから読み取れる気持ちを、was excited about 〜 や was shocked to see 〜 のように一言添えましょう。物語に流れが生まれ、情報量も増えます。
アティチュード(態度)を意識する
アティチュードとは、積極的にコミュニケーションを図ろうとする意欲や態度のことです。
面接委員の目を見て、聞き取りやすい声で話すことを意識しましょう。言葉に詰まっても黙り込まず、Well, … などでつなぐ姿勢が大切です。
効果的な練習方法と本番までの準備
ナレーションは、実際に声に出し、時間を計りながら練習することで上達します。
- 過去問や問題集の4コマを使い、1分の準備と2分のナレーションをタイマーで計る
- 自分の声を録音し、時制のずれや同じ表現の繰り返しがないか確認する
- よく使う表現を5〜10個に絞り、どの問題でも言えるように口に慣らす
- 同じ問題を2〜3回話し直し、1回目より内容を増やす
ナレーションの後の質疑応答で使える表現は、英検準1級の面接で使えるテンプレ・フレーズ集にまとめています。
2026年度第2回の二次試験は、A日程が11月8日(日)、B日程が11月15日(日)です。個人申込の場合、21歳以上はA日程、20歳以下はB日程になります。
日程は変わることがあるため、最新情報は英検公式サイトでご確認ください。
一次試験に合格して二次試験で不合格になっても、一次試験免除制度を使えば、翌年度の同じ回までは二次試験から受けられます。詳しくは英検準1級の一次試験免除とS-CBTの解説をご覧ください。
まとめ
英検準1級の4コマナレーションは、二次試験の中で最も配点が大きい課題です。
カードの言い出し部分から始め、コマの間の時間表現を使いながら、1コマ2〜3文を過去形で話すのが基本の型です。
そこに登場人物の気持ちを添え、面接委員に伝えようとする姿勢を見せれば、ナレーションの印象はさらに良くなります。
本番まで時間が限られている場合は、英検全級に対応した完全マンツーマンのオンラインレッスンで、ナレーションと質疑応答をまとめて練習するのも効果的です。
